2025/01/30
介護業界で開業を検討する際、資金繰りの確保は経営において最重要の課題といえます。この記事では、介護報酬を活用したファクタリングがどのように資金の流れを改善し、メリットを最大限に引き出すかを丁寧に解説します。ファクタリングを利用することで通常の融資では時間や手続きが必要なケースでも早期入金が可能となり、担保や保証も不要です。具体的な方法や注意点を押さえ、他の手段とも比較しながら自社に合った資金調達を検討してみてください。
資金繰りは開業時および開業後の運営においても重要です。十分な事業資金がなければ、スタッフを確保しにくくなり、利用者へのサービス提供にも支障が出やすくなります。また、利用者の満足度を高め、安定したサービスを提供するには経営を安定させる必要があることは当然です。
介護事業は、国民健康保険団体連合会(国保連)に給付費を請求し、手続きが行われてはじめて報酬が支払われます。ただし、国保連へ請求しても、全額が認められるとは限りません。さらに、国保連への請求から実際の入金までに通常45日以上の期間があるため、経営状況が不安定になりやすいというリスクがあります。もちろん固定費や人件費は毎月払わなければならないため、定期的な資金調達方法の検討は欠かせません。
また開業時・開業直後は会社としての信用力が乏しく、銀行などの融資が通らないケースもあります。そのため、費用負担を軽減するには何らかの資金調達手法を確保しておく必要があるのです。
ファクタリングの仕組みでは、ファクタリング会社と介護事業者、国保連の3者間で契約を結びます。介護事業者は「債権譲渡通知」を国保連に通知、あわせて介護保険給付費の請求を行います。その後、ファクタリング会社が介護事業者に給付費の一部を先に入金し、後から国保連がファクタリング会社へ介護報酬を支払う形となります。ファクタリングは、不支給分が出るリスクを考慮しつつも、資金ショートを防ぐための方法として活用されています。
本来は翌月以降にならないと入金されない介護報酬でも、ファクタリング会社のサービスを利用すれば前倒しで受け取ることが可能です。ファクタリングを導入すれば、早ければ1週間以内に前月分の給付費を受け取れる場合もあります。早期に入金されるため、事業活動に必要な資金を確保しやすいのです。国保連からの入金まで待たずに現金化でき、資金の流れが安定すると、施設の改修や設備投資などの計画も立てやすくなりますね。
介護事業の開業時・開業直後には、ファクタリングだけでなく他の資金調達方法もあります。もっとも一般的なのは銀行からの融資でしょう。銀行の融資は低い金利で利用できる場合もありますが、審査や担保が必要になることも。審査の結果によっては、融資が受けられないケースもあります。また、融資の場合は借入であるため、返済計画を立てて慎重に運用していく必要があります。
一方、ファクタリングは債権売却なので負債を増やさずに資金を確保しやすいというのが大きなメリット。先に述べた、審査がスムーズで入金までのスピードが早いという点も魅力です。ただし、ファクタリングには当然ながら手数料が発生しますので、ファクタリング会社ごとの条件を確認しておくことが大切です。
また、一時的ではありますが助成金の活用なども有効な手段です。介護・福祉事業者向けの助成金や融資を行っている自治体や公的機関もありますので、調べてみるのも良いでしょう。
いずれにせよ、新規開業のケースでは、導入のしやすさや審査の難易度がサービスを選ぶうえで重要な基準になってくるはずです。
介護報酬ファクタリングによって得られる前倒しの入金は、事業の安定運営につながり、新規開業時の負債リスクを軽減する手段になり得ます。審査や書類の提出は比較的簡単な場合が多く、銀行融資より早期の資金調達が可能な点もメリットといえるでしょう。一方で、ファクタリングにかかる手数料や買取率など、コスト対効果のチェックが大切になってきます。会社によって入金日や手数料の設定が異なるので、条件を比較検討したうえでサービスを利用してみてください。